『雌吹』 – えいとまん
2024年5月10日 アニメについての情報を追記しました
作者/作品について
『雌吹』はえいとまんさん(Twitter[新X])によって2020年に発売された単行本になります
本作は全7話(+描きおろし)が収録されており『雌吹』が2話構成、『キンギョバチ』が4話構成、『AM10:28』が単話という構成になります
各話あらすじ
『雌吹 前編』
愛はY-TUBER(ワイチューバー)の”らぶ”として活動するが動画再生数が伸び悩んでおり、同じ動画投稿者である友人に相談すると自身が動画に出演するよう提案を受ける。結果再生数は伸び生放送にも手を出し、勢いでオフ会を行うがそこで出会った男に籠絡されて─
『雌吹 後編』
前編で起こった出来事が忘れられず、Y-TUBERも辞めて普通の生活に戻ろうとしていた愛。そんなある日、愛の動画や生放送を視聴していた男性ファンに身バレされ凸されるが──
『AM10:28』
趣味に奔走する由香は念願のライブチケットに当選するが、金欠のため参加できない危機に。どうしてもお金が必要な由香は疎ましいと思っていた陽キャ集団が話していた”パパ活”を使って──
『キンギョバチ』(全4話)
日本のどこかに存在する和佐見村では若い女性全員が媚婦で、早い者では小さいころから性経験をしていた。その中であげはは処女を好きな人に捧げたいと願っており貞操を守っていたが、村のしきたりと大人の圧力には逆らえず水揚げ(処女喪失)の時が迫る──
全4話収録
『雌吹双』(描きおろし)
とある動画投稿サイトに映るY-TUBERの”らぶ”こと愛。ただの報告動画と思われたが徐々に愛の様子がおかしくなり──
悪意や心の闇から育ち、”雌”が芽吹く…
全体的に暗い雰囲気の本作では、性欲の強い悪意を持った男にヒドいことをされてしまうという女の子たちが描かれています。とにかくどの話も衝撃的な展開の連続で最後の方では息つく余裕すらありませんでした(誇張抜きで)
竿役の男も不潔そうなおっさんだったりいかにもヤリモクの男だったりと中々クセのある人物ばかりですが、それでもえいとまんさんが描く華奢で若々しい子や豊満な身体つきをしたえっちな女の子が画に華をもたらせているので良い塩梅になっています
どの話も女の子目線で進行してモノローグが多用されており、「この娘はいま何を考えているか」にフォーカスをあてた表現が多く快楽に染まる女の子たちを直に知ることができるのでとってもえっちです
『雌吹』にて登場した愛ちゃんも友人からは天然ぽくて抜けているところがあると思われていますが、実際のところは自身の理性に苛まれていたり、どんどんスケベになっていく自分に戸惑ったりと内面がよく分かる構成になっているので没入感が半端ないです
また漫画ならではの表現技法におシコりしている手を止めて素直に感嘆した箇所が何点もありまして…
たとえば人物が思案している枠(モノローグ)ではある程度理性を保っていたときは直線の長方形なのですが、淫らになるにつれてどんどん線がブレて最後にはひらがなだけしか残らなかったり…
ドチュドチュと激しく突かれたセックスが展開したと思いきやクライマックスの中出しシーンでは急激に静かになり「どくん… どくん… どくん…」と周りの環境音が消えて身体から発する音が響くという“動”と”静”の対比が非常に文学的だったりと……ちんちんに響く表現ばかりでした
声を大にしていいたいです
え い と ま ん 先 生 は 天 才
ここが激シコポイント
『キンギョバチ』が漆黒で動悸が激しくなります(おちんちんも)
あらすじにて書いた通り、和佐見村の若い女性は全員が本人の意思とは関係なく媚婦で見境がありません。そのため主人公・あげはの妹や母までもが男たちの相手となっており、作中では妹が相手をしているシーンがあったりします。
自らの処女だけは守るという周りの圧力に屈しないあげはでしたが、結局は大人たちの言いなりにならざるを得ない無情さが際立つ物語でした。第2話以降も1話を凌駕する勢いで暗い展開の連続になるのでそれなりに覚悟して読みましょう…!!!!
女の子たちが汚い男たちに凌辱される凄惨な物語で、とにかく倫理がぶっ飛んだものになっています
終盤では現代において何故このような淫風が横行しているのか明らかになります。果たして主人公たちはこの狂ったスパイラルを断ち切ることができるのか…全4話すべてに注目どころが多く非常に濃厚なストーリーでした
本作は暗い展開が続くのでフィクションといえど間違いなく人を選ぶ内容です
それでも本編中は女の子が時間をかけてどんどん雌に堕ちていく過程を眺めることができるのでソロ活動(オナニー)において実用的な面でも、衝撃的な展開に目が離せなくなるという物語とのバランスも絶妙にとれた優れた作品になるのでぜひ勇気をもって読んでみましょう!
総評すると快楽堕ち…といえばもしかすると語弊があるかもしれませんが、望まない性行為に拒絶や嫌悪感から始まり最終的に(あらゆる手段を使われて)快楽を求める様はまさにその言葉にも尽きると思いますのでこういうジャンルが好きな方はオススメです
また今作にはフルカラー版もございます!!!
えいとまんさん珠玉の作品をすべてカラーで読むことができますのでコチラもおすすめ!
– えいとまん
追記(2024年5月)
今作『雌吹』ですが、なんとアニメになって発売されています!!
個人的に映像で観てみたいと思っていた作品だったので、このアニメ化は純粋に嬉しい……!!
リンク先でサンプル動画を視聴できますので、ぜひご確認ください!